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MAKING A COMPANY LEGIBLE

AIに、企業の内容を理解させる。

生成AIの性能は向上しています。それでも、その企業の「粗利」がどの範囲を指すのか、誰がいくらまで決定してよいのかは、外部からは把握できません。企業の内部に存在し、どこにも記載されていないためです。当社がまず着手するのは、この記載されていない内容を書き出すことです。

机の上で開かれた社内規程の冊子を斜め上から見た写真。右のページに小さな付箋が付いており、そのページ全体が白い枠で囲まれている。付箋の位置から引き出された表示のラベルに、言葉は粗利、定義は売上から売上原価を引いた額、別名は粗利益・GP・売上総利益、出所は経理規程 3-2、状態は人が確認済み、と並ぶ。左奥に他の資料が重ねて置かれている

Source Page

№16

Judgment stays human. Execution does not.

会社で起きている業務を、AIが理解できる形にする。

生成AIは高い能力を備えていますが、それぞれの企業で使われている言葉までは把握していません。「在庫」がどの数値を指すのか、この型番がどの機種に適合するのか、成果をどの定義で1件と数えるのか。

当社は、これらを定義したうえで、AIが実際の業務を担える状態まで構築いたします。

IN THE COMPANY

どこにも書かれていないが、全員が知っている前提。

  • 「粗利って、販売手数料は原価に入れるけど広告費は入れないやつね」
  • 「在庫は引当済みも入れて数えて。出荷済みは抜く」
  • 「成果1件は、申込じゃなくて審査が通った時点で数える」
  • 「あの商品名、社外に出すときは略しちゃだめ」
DEFINE

WHAT THE AI READS

同じ内容を、出典と確認状況を付けて書き出したもの。

{
  "term":        "粗利",
  "kind":        "指標",
  "definition":  "売上から売上原価を引いた額",
  "formula":     "売上 - 売上原価",
  "excludes":    ["広告費"],
  "aliases":     ["粗利益", "GP", "売上総利益"],
  "source":      "経理規程 3-2",
  "verified_by": "経理",
  "verified_at": "2026-07-26"
}

EXAMPLE — VALUES ARE ILLUSTRATIVE

WHY IT WAS DECIDED

決めた理由も、一緒に残します。

定義だけを残すと、しばらく経ってから「なぜこの範囲にしたのか」が分からなくなります。理由の分からない定義は、担当者が代わった時点で誰も直せなくなり、結局は使われなくなります。

そのため当社は、決めた内容と並べて、決めた理由と、そのとき見送った案も残します。「粗利に広告費を含めない」であれば、なぜ含めないのか、含める案をなぜ採らなかったのかまでを一つの記録にします。

この記録があると、AIは過去と同じ考え方で判断できます。人にとっても、以前の判断をたどれる状態になります。新しく加わった方が最初に読む資料にもなります。

WHAT REMAINS

企業に蓄積されるのは、データではありません。

AIの性能はデータの量で決まる、といわれることがあります。しかし実際の業務では、最も有用なデータは企業の外部へは出ません。出すべきものでもありません。企業の資産にあたるためです。

では何が蓄積されるのか。企業ごとの用語の定義と、判断の基準と、それらを検証する仕組みです。一度作成すれば、担当者が交代しても、AIが新しくなっても残ります。当社が企業の用語を定義するところから着手するのは、そこにしか蓄積されるものがないためです。

ONBOARDING

新しい担当者を迎えるときと、実施する内容は同じです。

新しい担当者が入社する際に実施することを、そのままAIにも実施します。企業の用語を伝え、ツールを渡し、権限の範囲を定め、当初は出力内容を確認する。異なるのは、習得した内容が個人ではなく企業に蓄積される点です。

  1. 01

    企業の用語を伝える

    「粗利」がどの範囲を指すのか、成果を何で計測するのか。新入社員に最初に伝える内容と同じです。

  2. 02

    ツールを渡す

    管理画面、社内のデータ、資料の保管場所。人が使用するものと同じものを、同じ範囲でお渡しします。

  3. 03

    権限の範囲を定める

    どこまで自律的に進めてよく、どこから確認を取るか。入社時に定める内容と同じです。

  4. 04

    当初は確認する

    出力内容を確認し、修正して返す。これを重ねることで、任せる範囲を拡大していきます。

OUR RESULT

定義のみでも、検索のみでも不足します。

自社の実際の質問16問で検証しました。計測したのは、回答に必要な用語が、AIへ渡る情報の中に含まれていた割合です。

何も渡さない場合は0%。定義のみを渡した場合は38%。全文検索のみの場合は50%。定義で絞り込んだうえで検索する二段階の構成では75%となりました。該当しなかった質問を確認し、不足していた項目を4件追加して再度実行したところ、100%となりました。

16問という小規模な検証であり、自社のデータでの結果です。それでも、定義と検索のいずれか一方では到達できないことは確認できました。(2026年7月26日 実測)

何も渡さない0%地図だけ38%全文検索だけ50%地図で当たりをつけて検索75%外れた問いの項目を足して100%答えに要る言葉が、AIに渡る材料に入っていた割合
RETRIEVAL HIT RATE — 16 QUESTIONS — 2026-07-26

OUR APPROACH

現場の判断から、逆の順序で構築します。

データを収集してから用途を検討する順序では、多くの場合は使用されないまま終わります。当社では逆の順序で構築します。まず現場で最も重要な判断を選定し、その判断に必要な用語のみを定義し、必要な範囲のデータのみを接続します。

全社のデータ整備を先に完了させる必要はありません。一つの判断が運用に乗った段階で、隣接する判断へ拡大します。

USUAL ORDERデータを集める整える使い道を考える使われないまま終わるOUR ORDERいちばん重い判断を選ぶその判断に要る言葉だけ決める要る範囲のデータだけ繋ぐその判断が回りはじめる
ORDER OF WORK

WHAT WE RECORD

企業の内容を、種類に分けて記載します。

一つの項目にすべてを記載すると、後から検索できなくなります。種類を分けておくことで、AIが必要なもののみを参照できます。

  1. 定義

    その企業で、その用語が何を指すか。「粗利」「成果の1件」など、企業ごとに範囲が異なるもの。

  2. 規程

    遵守すべき規程やルール。実施してよいことと、実施してはならないこと。

  3. 事実

    確定している事項。どの資料が正であり、どの形式で運用しているか。

  4. 固有名詞

    会社名・商品名・氏名の正式表記。略称の使用が可能なものと、不可であるもの。

  5. 指標

    数値の計算式と、どのデータから算出するか。

  6. 手順

    どの順序で進めるか。どこで人へ確認を求めるか。

  7. システム

    どこに何が存在するか。どの画面が正であり、どこは参照のみか。

  8. サービス

    提供しているサービスそのもの。何をどこまで含み、どこからは別の扱いとするか。

  9. 体制

    誰が何を担当しているか。決定する担当者と、確認する担当者。

EACH ENTRY

1件ごとに、出典と確認状況を付与します。

記載されているだけでは不十分です。誰が決定したのかを後から確認できなければ、AIに業務を任せる根拠になりません。

  1. 01

    定義

    その用語が指す範囲を、一文で記載します。

  2. 02

    別称

    現場での呼称の違い。略称や旧称も含めて記録します。

  3. 03

    略称の可否

    略称の使用が可能な名称と、不可である名称。句読点まで含めて正式表記を維持します。

  4. 04

    関連

    どの用語の一部であるか、どの用語と関連するか。

  5. 05

    計算式

    指標の場合、どのように算出するか。何を加算し、何を減算しないか。

  6. 06

    出典

    どの資料・どの規程に由来するか。ファイル名まで記録します。

  7. 07

    確認状況

    AIが作成した下書きの状態か、人の確認が完了した状態か。

  8. 08

    更新日

    いつ時点の内容か。

粗利定義定義売上から売上原価を引いた額。販売手数料は原価に含め、広告費は含めない。別名粗利益/GP/売上総利益関係案件に付く。請求から計算される。出所経理規程 3-2確認人が確認済みUPDATED 2026-07-26
ONE ENTRY — EXAMPLE

SEMANTIC WORKSPACE→№15

横にスクロール →

Semantic Workspaceの一覧画面。粗利・CPA・ブロック率・在庫不一致などの言葉が並び、それぞれに定義、型付き関係の本数、管理元(経理規程や運用ルールなどの出所)、状態が表示されている

実際の画面です。表示しているデータはサンプルで、「粗利」「CPA」「在庫不一致」のような、会社ごとに揺れる言葉から先に決めます。 画面をタップすると、そのまま開けます。

RELATIONS

言葉は、単独では意味を持ちません。

「粗利」を一行で定義しても、それだけではAIは動きません。それが何に付くのか、何から計算されるのか、どの言い方が同じものを指すのか。つながりまで書いて、はじめて使える意味になります。

ですから私たちが作っているのは、用語集ではなく関係の網です。ひとつの言葉は、たいてい他の何本かと結ばれます。下は、それを会社ひとつ分だけ広げたところです。近い意味は近くに集まり、塊と塊は名前の付いた関係でつながります。

そして、この絡み合った形のままAIに渡します。文章で説明するのではなく、機械が読める構造として渡す。だからAIは、聞き直さずに正しいほうの意味を選べます。

架空の会社の言葉どうしの関係を表した図。顧客・案件・請求・商品と在庫という 4つのまとまりが濃く、その間も、発注する・請求になる・商品を含む・請求先といった 名前の付いた関係で結ばれている。手前に来たものには語の名前が表示される。

WHAT WE HAND THE AI

ONE CARD — OUT 3 / IN 1

{
  "card": {
    "term":       "粗利",
    "kind":       "metric",
    "definition": "売上から売上原価を引いた額。販売手数料は原価に含め、広告費は含めない。",
    "formula":    "売上 - 売上原価",
    "aliases":    ["粗利益", "GP", "売上総利益"],
    "source":     "経理規程 3-2",
    "owner":      "経理",
    "verified_at": "2026-07-26T11:20:00+09:00"
  },
  "out": [
    { "rel": "part-of", "name": "案件",   "kind": "definition" },
    { "rel": "uses",    "name": "請求",   "kind": "definition" },
    { "rel": "uses",    "name": "売上原価", "kind": "definition" }
  ],
  "in": [
    { "rel": "uses",    "name": "月次レポート", "kind": "process" }
  ]
}

横にスクロール →

中身は架空の会社の例で、実在の企業の定義ではありません。ただし形と関係の名前は実物どおりです。out がこの言葉から出ている関係、in が他から入ってくる関係。関係の名前は自由文ではなく、決めた6語から選びます。書き手によって呼び方が変わると、AIが辿れなくなるからです。

HOW WE BUILD

AIが下書きを作成し、人が確定します。

既存の資料・議事録・スプレッドシートから、AIが候補を抽出して下書きを作成します。ただし下書きの状態では使用いたしません。人が画面で確認した時点ではじめて、確認済みの状態となります。

追加の前には、同じ内容の項目が既に存在しないかを、別称まで含めて照合します。同一のものが二重に登録された場合、AIはどちらを参照すべきか判断できなくなるためです。変更は、誰がいつ実施したかまで記録に残ります。

SOURCES既にある資料議事録運用中の表AIが下書きDRAFT既存と照合別名まで見る同じものがあれば、足さずにまとめる人が確認CONFIRMEDAUDIT LOG誰が、いつ、何を変えたかを全て記録する
DRAFT → CHECK → CONFIRMED

WHAT WE EXCLUDE

変動するものは、登録いたしません。

登録するのは、確定していて、3ヶ月単位では変動しない構造と定義のみです。今月の予算や、昨日の受注件数のような変動する数値は登録いたしません。

変動するものを登録した場合、登録内容のほうが先に古くなります。変動する数値は、その都度もとのシステムから取得します。

HOW WE MAINTAIN

業務が変わると、定義も変わります。

作成した時点では正しくても、運用は変化します。出典となる資料が更新されていないかを毎晩自動で照合し、差異があればお知らせします。

回答できなかった質問は、そのまま不足の記録として保持します。それを確認して項目を追加するところまでを、一つの流れとしています。

すべての企業が、いずれ自社の用語を、AIが理解できる形式で保有することになります。

用語が定まらないままAIの利用を広げると、誤った処理がそれだけ速く、広い範囲に及びます。

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まずは、お気軽にご相談ください。

まず1領域だけ、終わる状態を作ります。全社のデータ整備を先に終わらせる必要はありません。